「日本企業が資金調達を協議していたら、横から出てきた中国にさらわれた」。経済産業省関係者がこう振り返るのは、昨年5月に、中国企業が買収に合意した豪州西部のネオジム鉱山。最終的には豪州当局との交渉が不調に終わり、中国企業の買収は成功しなかったが、中国側の攻勢に対する日本政府の焦りは大きい。
ネオジムは電気自動車のモーターの材料に使われる重要鉱物だ。日本政府は強い関心を持っていたが、政府による資源権益の開発・出資などを規定している現行の石油天然ガス・金属鉱物資源機構法は、石油や天然ガスの権益獲得を主眼としている。金属鉱物に関しては、資源調査や開発段階のプロジェクトについて、独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構を通じて間接的に権益を取得できるにとどまる。
このため、政府は同法を改正し、石油天然ガス・金属鉱物資源機構の業務に生産段階の金属鉱物鉱山への出資を新たに追加。12日閣議決定した改正案には、出資のための資金手当てとして、同機構の資金借り入れに政府による100%の政府保証を付与する仕組みを盛り込んだ。
改正案は7月に施行される見込みで、今後は、中国企業にさらわれていた鉱山案件にも「日本が官民で買収に手を挙げることができる」(経産省)という。
一方、リーマンショック後は金属鉱物の鉱山価格は下がっており、売却案件も増加。法改正に伴う政府保証枠は275億円で、中国企業と張り合うには不十分との声もあるが、政府が関与する仕組みができることで、巨額の初期投資負担などに尻込みする民間企業の投資を後押ししやすくなるとの期待もある。
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